不妊症

【概要】

不妊症とは、避妊をしないで性生活を継続的にしているにもかかわらず、1年間妊娠が成立しない状態を指します。

不妊症の原因は、男性・女性いずれか(あるいは両方)の原因を特定できることがある反面、はっきりした原因が特定できないケースもあります。

不妊症による治療効果は、早い段階で行うほど高い奏功率が期待できます。年齢と共に妊娠率は低下するため、 なかなか妊娠に至らない際には、早い段階で治療を検討してみることも大切です。

【症状】

生理周期が不安定である、極端な肥満もしくは痩せがある、生理の際に量が多い・少ない、痛みが強いなどの症状がみられることがあります。

そのほかにも、性感染症と関連して、膣分泌物の変化や腹痛などが起こることもあります。

【原因】

東洋医学(鍼灸治療)では、不妊症は、気血のめぐりが悪く停滞(渋滞)を起こしている状態で、特に女性にとって大切な骨盤腔内の子宮や卵巣に渋滞が激しい状態と考えています。

その状態を「瘀血(おけつ)」と呼んでいます。 

気血のめぐりの悪さの原因は、「冷え」と考えています。

冷えたところには血行不良がおき、身体が冷え、様々な不調がおきます。

特にお腹や腰の冷えは大敵です。

・血のめぐり

血液の流れは、酸素と栄養を運ぶ大切なものです。
子宮や子宮内膜も血液のおかげでふかふかになり、受精卵も育っていきます。
卵胞も血液によって育まれます。

子宮や卵巣に影響を与えるホルモンも、血液によって運ばれるものです。

ですから、血のめぐりが悪いというのは、不妊の原因になるのです。

・気のめぐり

気のめぐりが悪いとは、元気がなく、「心が冷えている」ことです。

精神的不安やストレスによりおこります。

不安やストレスという交感神経過緊張状態が、自律神経失調状態を起こします。

交感神経過緊張は内臓の働きを低下させてしまい、特に生殖器やホルモン(内分泌系)は敏感なので、悪影響を与え乱れをおこさせてしまうのです。

病院で検査をしても内臓や器官に問題はないのに、頭痛・めまい、不眠、全身の倦怠感などの不定愁訴を訴えることもよくあります。

このからだ全体の不調な状態が不妊原因にもなります。

特に、働き盛りの年頃でもある男性不妊の方に多くみられます。

また、東洋医学では、「心身一如(しんしんいちじょ)」と言って、心と体は強く影響しあっていると考えています。

不妊治療は様々なストレスがかかるものです。身体的、金銭的、社会的、時間的、親に対して、それぞれのパートナーに対して・・・などなど

そんな精神的ストレスが、「心の冷え」をおこします。

心の冷えは、からだにも悪影響を及ぼし、不妊原因となることもあると考えています。

【鍼灸治療】

東洋医学では、病を治すとは、


気血の流れを整える

  ↓

血流がよくなる

  ↓

その人が本来持っている自然治癒力(生命力・妊娠力)が活性化する

  ↓

病が治る


ということです。

鍼灸治療では、鍼(はり)を打ち、温灸・しょうが灸・灸頭鍼などで身体を温めることによって、全身の血行を良くし、気の流れを整えていきます。

さらに、赤松はり灸院では、遠赤外線やホットパック等も利用して、徹底した冷え改善を図っています。

背中に鍼をさす鍼灸師の写真(画像)|フリー素材「ぱくたそ」