【概要】
更年期とは「生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期のことで、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期」をいいます。
更年期の年齢は、一般的に閉経前後の数年間をいいます。閉経*の年齢は個人差が大きく、40代前半に迎える女性もいれば、50代後半になっても迎えない女性もいますので更年期の年齢は個人差があります。
この時期に、のぼせ・ほてり(いわゆるホットフラッシュ)・めまい・頭痛・全身倦怠感・不眠などといった身体的な症状、また、気持ちの落ち込み・やる気のなさ・不安・憂鬱などといった精神的な症状がみられ、他の検査を行っても特に異常がないものを更年期症状といいます。
さらに、これらの症状がひどくなり、日常生活に支障をきたす状態を更年期障害といいます。
【症状】
○顔がほてるのに、足もとが冷えている
○イライラすることが多い
○息切れ・動悸がする
○寝つきが悪い
○汗がたくさん出てしまう
○憂うつな気分になる事が増えている
○便秘などお腹の調子の悪い日が増えている
○下腹が張ってしまう
【原因】
更年期障害は、閉経による自律神経の衰えや、その他にも冷えや気候の変化といったお身体の内側や外側の環境が変化することによって、引き起こされます。このような変化は同時に現れてしまうため、精神的に負担を感じてしまいがちです。
(1)閉経によるお身体の変化
胃や腎臓などの内臓が弱ってしまう、卵巣の機能の低下による女性ホルモンの減少、など
(2)環境の変化
パートナーとの関係の変化、子供の独立、両親の介護、など
これらの2大変化が影響して、更年期障害として表面化するのです。
【鍼灸治療】
加齢で『腎』が衰えてしまうことがきっかけに
更年期障害は、西洋医学の知見を踏まえると、主にホルモンバランスの変化が原因と言われています。これに対し、東洋医学では老化による『腎』といわれる機能の衰えが引き金になるとされています。
『腎』は、身体の機能全体を司る五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中で、一番、加齢の影響を受けてしまいがちです。そのため、更年期障害の患者様のほとんどが、加齢による『腎』の衰えが原因であるといわれています。
身体の根本的な機能を司る『腎』の役割
『腎』は生殖機能や、身体に指令を出す自律神経を正常に動かすためのホルモンの分泌、水分代謝を司ります。『腎』が正常に作用し、ホルモンが正しく出続けることで、自律神経が正常に働きます。
自律神経が弱まり、更年期障害の症状が発生
自律神経が弱まることで、どのような症状が起こるのでしょうか?
身体全体の機能を束ねる自律神経の機能が壊れてしまうことで、不眠やイライラ、顔のほてりといった、更年期障害の症状が発生してしまうのです。