生理不順

【概要】

月経不順は全く月経が無い、または月経周期が一定せず不規則な状態のことで、おおまかに無月経・希発月経・頻発月経の3種類に分類されます。

●無月経
月経が止まった状態。
満18歳になっても初潮がない場合は原発性無月経と呼ばれています。

●心因性無月経
原因はさまざまですが、主に精神的なストレスによって月経が止まる状態。

●減食性無月経
無謀な食事制限をして月経が止まる状態。
また、ハードな運動を続けることで月経が止まる場合もあります。

●続発性無月経(希発月経)
それまで正常にあった月経が3か月以上ない状態(妊娠中や授乳中、病気によるものは除きます)。

●頻発月経
前回の月経から24日以内に次の月経が始まる状態。

【原因】

■ホルモン分泌の低下や女性ホルモンのアンバランス
月経周期が不規則になる原因の一つに、ホルモン分泌の低下や女性ホルモンのアンバランスなどが考えられます。

月経が起こるシステムには多くのホルモンが関係しています。
このホルモンの分泌が悪くなったり、バランスが崩れたりすることで身体のタイマーが狂い、月経の周期が狂ってしまうのです。
また、月経痛を軽減するための薬を服用することによって月経不順になる場合もあります。

無月経と希発月経は、顔や身体が急に火照るホットフラッシュ、発汗、吐き気、乳漏などの症状を伴う場合があります。
月経の周期が狂ってくると、肌や骨、血管、精神面にも悪影響を及ぼします。

月経は女性にとって大切なものではありますが、毎月来るのでちょっと面倒でもあります。
だからといって、来ないことを楽だからと放置してしまうと、後からさまざまな症状が出てくる上、放置した時間が長ければ長いほど治療に時間を要しますので、身体の変化は日ごろから十分に注意をしてください。

【鍼灸治療】

機能性月経困難症の場合は、ホルモンバランスを正常に戻すことが大切なので、中枢神経(脳と脊髄)に対する刺激が有効です。
したがって、脳に近い後頭部と顔面部のツボ刺激がポイントになります。
親指の付け根にあるツボは婦人科系の疾患に効果的なので、治療には必ず用いています。この経穴は鍼麻酔にもよく使われており、鎮痛作用があります。
月経痛がひどい場合は特に効果が発揮されます。

仙骨(おしりの真ん中のあたり、尾骨の上にある板状の骨)の上にあるツボは、月経痛として発症しやすい腰痛の改善を図ることができます。足の側面にあるツボと合わせて用いています。
下腹部にあるツボや足の内側面にあるツボも月経不順に効果があり、腰痛と同じく頻出する、頭痛の緩和にも効果があります。

他にも、当院では温熱療法を積極的に行い、身体全身を温めることで免疫力を高める効果もあります!

背中に鍼をさす鍼灸師の写真(画像)|フリー素材「ぱくたそ」