【概要】
お腹が張る、とよく言いますが、症状には個人差があります。「お腹が張って苦しい」「ゴロゴロ鳴る症状もある」など、「お腹がパンパンになっている」という以外にも不快感や違和感を覚えるケースもあります。これは一口に「お腹が張る」と言っても、人によって原因が異なるため、症状も違ってくるのです。
中には病気による特殊なケースもありますが、一般的なお腹の張りの原因となっているのは「腸内ガス」の発生によるものが多いようです。「腸内ガス」と聞くと悪いもののように思えますが、飲み込んだ空気が腸に降りたものや、食事をして消化する過程で自然に発生するものなので、通常は特に問題はありません。
発生したガスは自然と体から排出されるのが正常ですが、排出のサイクルが乱れると、お腹に張りを感じる原因となります。ここではお腹にガスがたまって張りやすくなる原因と、考えられる具体例を取り上げて解説します。
原因は大きく分けると下記の二つのタイプに分かれます。
・ガスの発生量が多すぎて排出が間に合わない
・腸の運動などが乱れてガスの排出がうまくいかない
【鍼灸治療】
お腹のマッサージ・鍼
お腹の硬さや冷えがあるかなどを確認し、腸を捉えるように指圧で各内臓へアプローチし、腸間膜(腸を吊りさげるように定着させている腹部の膜の一部)に刺激していきます。
マッサージの後は、症状に合わせてお腹・足に鍼をします。
❶ おなかのツボ・腹結
便秘を伴うおなかの張りによく効くツボです。乳頭からまっすぐ下りて、へそのラインと交差したところから、さらに指幅4本分下にあります。骨盤の左右にある大きな骨(腸骨)の内側で、左側の腹結は下行結腸の上にあり、便のたまりやすいところです。

あおむけになり、左側の腹結に左手の指3本(人差し指、中指、薬指)を立て、その上から右手で圧を加えます。グッグッグッと、20回押します。右側の腹結も同様に行います。

❷ 背中のツボ・大腸兪
腸のぜん動運動を促すツボです。骨盤の上端のライン上で、背骨から左右に指幅3本分のところにあります。

うつぶせになり、両手のこぶしで左右のツボをトントントンと、20回たたきます。
