過敏性腸症候群

【概要】

機能性消化管障害(FGIDs)である過敏性腸症候群の発生機序については、はっきりと確定していませんが、体質的なものがベースにあり、ストレスが加わると消化管の刺激が脳辺縁系を賦活し腹部の不快感・痛み・排便異常を引き起こすものと考えられています。

タイプⅠ 下痢と便秘をくりかえす。 膨満感が強い、おならがたくさんでる。 お腹を締めつけたくない。 残便感がある。 ストレスにより症状が悪化する。

タイプⅡ 便はやわらかい。 もともとお腹は下しやすい。 お腹がしくしく痛む。 体力には自信がない。 疲労により症状が悪化する。

タイプⅢ 便がかたい(便秘)。 お腹が脹りやすい。 便意をあまりもよおさない。 排便後、動悸や息切れがする。 疲れやすくいつも倦怠感がある。

タイプⅣ 水っぽい下痢が多い。 朝早く便意で目を覚ますことがある。 寒がり。 とくに腰や下半身が冷えやすい。 冬季や冷えにより症状が悪化する。

タイプⅤ 便はベトベトして、水で流しても便器に残りやすい。 便やおならの臭いが強い。 胃もたれや吐き気をもよおすことがある。 口の中が不快。 お酒、脂っこいもの、辛いものなどを食べると症状が悪化する。

【原因】

原因はわかっていませんが、消化管の動きの異常と感覚過敏があると考えられており、これが下痢や便秘、腹痛を引き起こすとされています。さらにストレスが影響するため、緊張する場で見られることがあります。

【鍼灸治療】

鍼灸で過敏性腸症候群(IBS)に対して治療を行うとき、「患者さんの偏ったからだのバランスをもとに戻す」「ストレスに強いからだをつくる」ことに目標をおきます。漢方的に言うと、患者さんのかたよった陰と陽、気と血、寒と熱のバランスを調えます。
このようなからだの偏りを解消することで、患者さんが本来そなえている免疫力、からだの調整能力を上げることができます。

背中に鍼をさす鍼灸師の写真(画像)|フリー素材「ぱくたそ」