気管支喘息

【概要】

気管支喘息とは、発作性にゼイゼイやヒューヒュー(喘鳴)・息が苦しい(呼吸困難)・胸が苦しい・咳がひどい、などの症状が繰り返しみられる病気です。その症状が急に起こることが多いので、よく「喘息発作」といわれています。気管支喘息は粘膜の炎症です。気管支の筋肉の収縮や粘膜のむくみがおこり、気道が狭くなり空気が通りにくくなります。痰がつまるとさらに悪化します。

【原因】

気管支喘息が起きる原因は大きく三つを分けます。
①アレルギー体質による気管支喘息
体質は遺伝することがあり、生まれつきのアレルギー体質を持ち、親子や兄弟で喘息になることがあります。
②気道過敏性よる気管支喘息
喘息の患者さんに共通してみられるのは、気管支などの気道が刺激に対してとても敏感だということです。このため、健康な人には何でもないようなタバコの煙や家のほこり、動物のフケなどを吸い込んだり、低気圧が近づいたりするだけで、気管支が刺激され、収縮して喘息発作を起こしてしまうのです。
③環境よる気管支喘息
環境要因としては、気温、湿気、気圧の変動、季節の変わり目、風邪の感染、大気汚染、過労、精神的ストレスなどがあげられます。

【鍼灸治療でのアプローチ】

気管支喘息に対する西洋医学的治療の方法は一応確立されていますが、副作用には必ずしも無視できないものがあります。
中発作以上の喘息になり、苦しくて横になれないことやチアノーゼなどが認められる時には、気管支を広げる薬物でも軽減しないことが多く、ステロイドの点滴や吸入など強力な抗炎症作用のある薬物治療が必要になり、鍼灸治療より薬物治療のほうが優先されますが、軽症の患者様は症状が出た時に薬物を服用するので、鍼灸治療をすることで薬物の服用回数を減らすことが可能となります。
1979年、WHO(the World health Organization=世界保健機関)により、喘息は鍼灸治療の適応症として認められました。

気管支喘息の鍼灸療法においては、発作を起こさなくする根本的な予防が第一に考えられます。
発作の出ていない安定期に、全身的な体調を整え、全身の凝りや疲労を取り除く目的の治療を行っていきます。
喘息発作をおきにくくしていく体質にしていくことがとても大切です。
また喘息患者は上部胸式呼吸をしていることが多いので、頚肩部の凝り感を強く訴える患者様が多く見られるため、緊張している筋を緩めていく治療も行っていきます。

背中に鍼をさす鍼灸師の写真(画像)|フリー素材「ぱくたそ」