不眠症

【概要】

親しい人の死など不幸な出来事、職場の環境の変化、人間関係のトラブル、近所の騒音など、実にさまざまなことが誘因となって、人間は不眠になります。

したがって、一時的な不眠は、誰もが経験したことがあるといっても過言ではありません(大人だけではなく、子供も不眠を経験することはあります)が、翌日あるいは数日後には熟睡できるようになる一過性の不眠は、「機会性不眠」と呼ばれるもので不眠症とは異なります。
しかし、この一時的な不眠が不眠症のきっかけとなる場合はあります。

【不眠症のタイプ】

不眠症は5つのタイプに分類できます。

1. 寝つきが悪い「入眠障害」

2. ぐっすり眠れない「熟眠障害」

3. 夜中に何度も目が覚める「途中覚醒」

4. 朝の目覚めが早すぎて睡眠時間が不十分な「早朝覚醒」

5. 目覚めが悪い「覚醒障害」

不眠症のタイプはさまざまありますが、どのタイプも自律神経のバランスが崩れている点は同じと言えます。

仕事や家事など、集中して作業するために緊張を持続すべき時間と、リラックスして休息すべき時間の切り替えができていない(つまり、交感神経と副交感神経の切り替えができていない)から、眠れないのです。

そして、自律神経の切り替えができないということは、自律神経の働きを支配するホルモンのバランスが崩れているのです。

【鍼灸治療】

鍼灸治療は自律神経のバランスを整えるのに優れた治療法です。

また、不眠に効果のあるとされるツボも刺激していきます。例えば、『百会』や『失眠』というツボは、不眠症に効果があると良く知られたツボの一つです。

鍼灸治療では、内臓や脊髄などの中枢神経の機能低下を改善し、交感神経と副交感神経のバランスを整えて体全体の血流の改善を働きかける事を主眼としています。

これはまさに、交感神経と副交感神経のバランスが乱れている自律神経のバランスを整える治療だと言えるでしょう。

ですから、鍼灸治療は不眠症に効果があるとされています。

【不眠症の対策】

朝日を浴びる・・・朝に太陽の光を浴びると体内時計がリセットされて夜に眠気がくるようになります。

運動習慣をつけましょう・・・適度な運動は疲労感がでて睡眠を誘います。全身の筋肉が柔軟になるほど血液循環は良くなり体調を整えやすくなります。

睡眠にこだわらない・・・寝よう!寝よう!と思う程寝つきが悪くなる時があります。睡眠は人によって変わるものですが、1日動けるものであれば必要最低限の睡眠は取れていることにもなりますので、寝るときはなるべく考えないようにしましょう。

寝る前はリラックスして目に刺激的なものは控える・・・寝る前に緊張するようなことやスマホを長時間使うなどの脳が興奮するようなことは控えましょう。寝る前にお酒を飲むのは止めたほうがいいです。脳が興奮しやすく深い眠りがへるため翌日に身体が重くなりやすいです。

寝る前はしっかり寝る準備を・・・眠りやすい環境を作ることも大切です。身体をストレッチして全身の血の巡りをよくしたり、眠る1~2時間前から部屋の照明を暗くする、温度や湿度にも注意すると眠りにつきやすいです。