前立腺肥大症

【概要】

前立腺肥大とは、男性の体において膀胱に隣接して尿道を取り巻いている前立腺という臓器が大きくなり、尿道が細くなることによって排尿にまつわるいろいろな症状をきたす病気を指します。「前立腺肥大症」と呼称される場合もあります。

前立腺は男性ホルモンの変化に影響を受けます。そのため、前立腺肥大では、男性ホルモンのはたらきが衰え始める40歳代後半頃から前立腺が大きくなり始め、加齢とともに大きくなります。肥大する前立腺の大きさや形には個人差があります。

【原因】

前立腺肥大の原因は、完全には解明されていません(2018年5月時点)。現時点では、男性ホルモンの変化が、前立腺肥大に関与している可能性が考えられています。これは、前立腺が男性ホルモンの働きと密接に影響し合う臓器であるためです。

【症状】

前立腺肥大になると、尿道の一部が細くなるために尿に関するいろいろな症状が起こるようになります。

具体的には、以下のような症状が現れます。

  • 排尿困難(尿が出にくい)、または尿閉(尿が出ない)
  • 頻尿:おしっこが近い、夜中にトイレで何度も起こされる
  • 尿意切迫感:突然おしっこに行きたくなる
  • 残尿感:尿を出しても出し足らない感じがする
  • 尿失禁:尿を漏らしてしまう

【治療】

前立腺肥大の治療方法には、大きく分けて薬を用いた薬物療法と、手術で前立腺の一部を取り除く手術の2つがあります。通常はまず薬物療法を行いますが、効果が不十分であったり、尿路感染や腎機能障害などの合併症が生じていたりする場合や、重症と判定されるような場合には、手術など外科的治療を行うことが多いです。