排尿トラブル

【概要】

成人の一日間の排泄される尿量は約1500mlで、健康時では200ml~300m膀胱に溜まると尿意を感じ、排尿時に苦痛はなく終了後に爽快感があるのが正常な排尿とされています。

排尿異常には、排尿回数の異常(頻尿)、排尿困難、尿失禁があり、排尿困難とは尿意があるにも拘わらず排尿がスムーズに行えない状態をいう。

また、排尿困難は次の様に分類される 

1)遷延性排尿:排尿の開始が遅れる

2)苒延性排尿:排尿の二間が長くなる               

3)尿 閉:膀胱内の尿が排泄出来ない 完全尿閉~努力しても尿を排出出来ない 不完全尿閉~常に膀胱内に残尿感がある      

4)尿   失   禁 :不随意に尿が排出される 真性尿失禁~括約筋の障害から起こる  仮性尿失禁~膀胱に尿が充満して一部が漏れ出る 

排尿障害を起こす場合に、排尿痛を伴う事もあり、痛みの現れる時の違いでの分類があります。                   1)排尿初期痛:開始時の痛み                   

2)全排尿痛 :排尿開始から終了まで痛む             

3)排尿終末痛:排尿の終了時に痛む                

4)排尿後痛 :排尿後に暫く痛みが残存する

【症状】

排尿障害では、以下のような症状が出現します。

  • 尿が出にくい
  • 排尿までに時間がかかる
  • 尿が途中でとまってしまう

など

これらは、排尿困難として認識されます。また、尿が出る回数が多くなる頻尿や、尿が漏れる尿失禁といった症状が起こることもあります。

こうした症状が生じることにより生活の質が著しく低下してしまうこともあります

【原因】

排尿障害が起こる原因はさまざまです。たとえば、男性の場合には前立腺肥大症が原因になることがあります。前立腺は、膀胱の下部で尿道を取り囲むように位置しているため、前立腺が大きくなると(前立腺肥大症)尿の通り道が狭くなり排尿障害につながります。

女性の場合には、加齢や出産などに関連して骨盤周囲の筋力が低下し、尿失禁が起こりやすくなることがあります。

その他にも、神経因性膀胱や過活動膀胱(脳梗塞やパーキンソン病などが原因となりえます)、子宮筋腫、尿道狭窄など実に多彩な疾患が排尿障害を引き起こす可能性をはらんでいます。

また、糖尿病が原因となることもあります。糖尿病を長年患うと徐々に神経障害が引き起こされ、結果的に尿意を感じる、尿を出すなどの神経が障害を受けることがあります。

【鍼灸治療】

自律神経系に働きかけ、排尿機能及び全身の調整を図る目的に、主に下腹部、腰仙部の圧痛、硬結、筋緊張などの反応がある経穴へ施術を行う。

<治療穴>

腎兪、膀胱兪、曲骨、関元、中極、横骨、三陰交

背中に鍼をさす鍼灸師の写真(画像)|フリー素材「ぱくたそ」