【概要】
うつ病は気分がひどく落ち込んだり何事にも興味を持てなくなったりして強い苦痛を感じ、うつ病は日常の生活に支障が現れるまでになった状態です。うつ病はこうした状態は、日常的な軽度の落ち込みから重篤なものまで連続線上にあるものとしてとらえられていて、うつ病の原因についてはまだはっきりとわかっていません。 うつ病の基本的な症状は、強い抑うつ気分、興味や喜びの喪失、食欲の障害、睡眠の障害、精神運動の障害、疲れやすさ、気力の減退、強い罪責感、思考力や集中力の低下、死への思いであり、他に、うつ病は身体の不定愁訴を訴える人も多く、被害妄想などの精神病症状が認められることもあります。
【うつ病診断】
うつ病の症状となりやすいタイプ
うつ病は次にあげる症状のうち、4つ以上が持続的に認められれば『うつ状態』または『うつ病』が強く疑われます。
- 一日中気分が落ち込んでいる
- 何をやっても根気がない
- 簡単なことが決断できない
- 特に朝方に憂うつ
- いつもより早く目覚める
- 生きていても仕方ないと思う
- 理由もなくいらいらする
- 疲れ易く活力が出ない
- 些細なことに申し訳ないと悩む
- 何に対しても興味も喜びも持てない
- 食欲がない
- 頭の回転が鈍い
- 自分は価値のない劣等な人間だと思う
【原因】
ストレスや過労により、この神経伝達物質の量が減少したり、働きが鈍くなります。神経細胞同士において情報を交換する感度が落ちます。
その中でも、「セロトニン」、「ノルアドレナリン」という物質の働きが悪くなりますと、感情をうまくコントロールできなくなります。これによりうつ病を引き起こします。
【鍼灸治療】
脳の神経が傷ついたり、数が減少するのは、ストレスにより交感神経の過緊張が起こり、血液の流れが悪くなり、神経細胞が酸素不足に落ちるからです。鍼治療は、脳の血流量を増やす働きがあります。
ストレスによる交感神経の過緊張をほぐします。
からだのさまざまな異常を取り除くことでも、交感神経の過緊張を緩め、筋肉の血流を改善しますので、脳へ行く血液量が増えます。
脳へ行く血液量が増えますと、酸素不足が解消され、神経の傷が治り、神経の新生をする働きが活発となり、神経の数が不足するということが改善されます。
脳に作用する鍼治療は、セロトニンやノルアドレナリンを増やすことが分かっています。